総合
利益最大化ではなく、適正利益を追いかける

会社経営をしていると、当然のことですが、いかにして
売上・売上総利益を上げるか?
そして経費をどのように下げるか?という点を
模索し続けることになります。

これを言い換えると「利益最大化を目指す」ということに
なるんですが、これが全て良いとは言い切れません。

と言うのも「利益最大化」を目的にしてしまうと、ただひたすら
売上を追いかけるのはもちろん、経費を下げるために、取引先に対して
やみくもに値下げ要求を行ったり、社員の雇用環境を疎かにしたり、
顧客満足に対するコストを安易に削減したりといったように、
一時的には利益が増額するかもしれませんが、長期的には取引先離れや
社員の離職率増加を生んでしまい、結果として企業経営が
成り立たなくなってしまいます。

(もちろん、無駄な経費は見直す必要があると思います)

また、経営者としても採算ばかり重視していると、新規事業への進出や、
新入社員の採用・育成といったコストに対しても、投資を控えるようになり、
こちらも結果として企業の成長を阻害してしまう要因になってしまいます。

『遠きをはかる者は富み 近くをはかる者は貧す
 それ 遠きをはかるも者は 百年のために杉苗を植う
 まして 春まきて 秋実る物においてをや 故に富有り
 近くをはかる者は 春植えて 秋実る物をも 尚遠しとして植えず
 唯 眼前の利に 迷うてまかずして取り 植えずして 
 刈り取る事のみ眼につく 故に貧窮す』

これは、有名な二宮尊徳の言葉ですが、企業が目指すべきは
利益最大化ではなく、自社にとっての「適正利益」をいかに
確保し続けるか?ということではないかと思います。


また、その一方で、適正利益の位置づけは、会社によって様々です。

無借金経営を目標に掲げて適正利益の金額を決めるのもよし、
将来の設備投資に向けて自己資金を確保するのもよし、
売上に対して一定率の経常利益の確保を自社の基準にするのもよし。

いずれにせよ、自社が目指すビジョンの実現に向けて必要な利益額を設定し、
それを適正利益として目標に据えて管理する方法、言い換えると目標とする
売上や利益といった数字に根拠があることが大切なのではないかと思います。

皆さんの会社では、売上目標・利益金額の目標に根拠はありますか?

これを機会に、自社にとっての適正利益の基準を考えてみてはいかがでしょうか?
コラムニストプロフィール
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森岡 寛(もりおか ひろし)
株式会社M's FACTORY(エムズファクトリー)
大阪・神戸を中心に中小企業向けの財務コンサルティング業務を実施しています。
具体的業務としては、①経理業務の改善アドバイス、②月次財務報告書の提供・報告、③金融機関からの資金調達・返済相談、④資金繰り改善アドバイス、⑤予算設定・管理、⑥管理会計導入、などが挙げられます。また、現在は訪問財務コンサル(関西圏対象)と、ITツールを活用したWEB財務コンサル(全国の中小企業が対象)の2つのサービスを展開しています。