総合
正しい予算の立て方

皆さんはどのように予算を作っておられますか?

そもそも、予算とは何なんでしょうか?

私自身は、予算設定とは、
①社内全体の売上目標・利益目標を明確にするため
②目標数字を明確にすることで、目標達成に向けての各部門・各人の行動計画を明確にするため
③実績と予算(見込み予測)を合算して、決算の業績予測を簡易に行うため
④予算の達成状況に応じた人事考課に活用するため

といった意味・目的があるものと位置付けられています。

では、実際に予算をどのように組めばいいのか?

多くの会社では、これまでの実績を見ながら、経営者が感覚値で
「売上目標○億円!」「昨年度対比10%の増収!」といった方が
わかりやすくはありますが、勘と経験、直感に基づいたこのような
目標設定方法は、実は大きなリスクを2つ伴っています。


1つ目が「資金繰り面を考慮しきれていない」ということです。
中小企業の多くが、借入返済資金や運転資金が必要なビジネスを展開しています。
また、設備投資を行う中小企業も多く存在します。


これらは、直接的には損益計算書に関係ありませんが、資金繰りから考えると
支出項目となっており、これらの支出を賄えるだけのお金が必要となってきます。
しかもこれらのお金は、新たに資金を調達するか、会社が出す利益の中からでしか
捻出できません。

新たに資金を調達するといっても、追加で借入を行うと、更に返済額や支払利息が
増えますし、増資を行うという選択肢も頻繁に利用できるわけではありませんので、
結果として「会社で出す利益で賄う」という結論に至ります。

なので、会社としては経費にならない支出が年間でどれだけ発生するのかを把握し、
減価償却費などのお金が出ていかない経費と相殺した後、その金額を税引後利益で
賄える予算組にしなければなりません。


2つ目が「どれぐらい経費がかかるかを予測しきれていない」ということです。

これは、経営者が経費に対する感覚を希望的観測で捉える傾向がある点が問題です。

経営者は「そんなに経費はかからないだろう」と思って経費の予算を立てられる
ことが多いのですが、実際にふたを開けてみると、当初は予想していなかった経費が
出ることが多分にあります。

ですので、経費の予算を立てる際は、会社の事業計画(採用・研修や広告宣伝、
福利厚生等のイベント)と連動した経費計画を立てつつ、若干余裕をもった
経費計画を立てることをお勧めしています。


このように、1つ目の項目で資金繰りを考慮した税引前利益目標を立てて、
2つ目の項目で経費計画を立てると、おのずと必要な売上額が把握できます。

ここで出てきた数字が、自社が目指すべき売上目標となります。
仮にこの目標値よりも、売上金額・利益金額ともに、まだまだ上方修正できる
というのであれば、新たに発生する経費内容を確認した後に、売上目標・利益目標を
上方修正して頂いても構いません。

大切なのは、直感で売上目標を決めるのではなく、根拠のある数字で売上目標を
導き出すことです。

9月決算の会社は今日から新しい事業年度が始まりますし、3月決算の
会社は下半期がスタートする日となりますので、これを機会に自社の予算の
立て方を検証してみて下さい。
コラムニストプロフィール
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森岡 寛(もりおか ひろし)
株式会社M's FACTORY(エムズファクトリー)
大阪・神戸を中心に中小企業向けの財務コンサルティング業務を実施しています。
具体的業務としては、①経理業務の改善アドバイス、②月次財務報告書の提供・報告、③金融機関からの資金調達・返済相談、④資金繰り改善アドバイス、⑤予算設定・管理、⑥管理会計導入、などが挙げられます。また、現在は訪問財務コンサル(関西圏対象)と、ITツールを活用したWEB財務コンサル(全国の中小企業が対象)の2つのサービスを展開しています。