総合
「絵に描いた餅」ではなく、社員が理解できる具体的な行動計画に置き換えよう!

 顧問先の社長から依頼を受け、変動費や固定費の見直しを含めて予算を決めることが
数多くあります。
 しかしながら、せっかく立てた計画数値が実際に目標数値として社内に浸透しないことが多々あります。


 なぜこのような事態が起こるかと言いますと、社長自身がその数値目標を社内で通知するだけで、具体的な行動計画にまで展開していないことが原因です。

 例えば、仮に会社の業績状況を踏まえて、年商10億円の売上が適正な目標値だったとしても「今期の営業部の売上目標は10億円!」と営業担当部署に伝えるだけでは、意味がありません。

 では、どうすれば目標達成に近づくのでしょうか?

1)目標の振り分け
①一年間の目標を各月に振り分ける
 ただ単純に振り分けるだけでなく、過去の季節指数(年間売上に占める、その月の売上割合)や今期の業績見通しをもとに決定する。

②各月の目標を各週、各日に振り分ける
 これも、単純にその月の週や日で単純に割るだけでなく、その月の営業日数や暦、受注状況を踏まえて振り分けを行う。

③全社目標を部署別、担当者別に振り分ける
 会社全体の目標の振り分けとともに、営業担当者各人の目標設定も行います。
 誰がいくらの目標の担うのか?その数字を明確にするとともに、各人の目標の合計値が
会社全体の目標を上回る設定(5%~10%程度で構いません)にすることも重要です。


2)母数の算出
 目標の振り分けが終わったからといって、目標が達成されるわけではありません。
 目標の算出と同時に重要なのが、顧客リスト(マーケット)の算出です。
 会社としては、全ての見込み客が全て契約できるとは限りません。
 予想よりも低い金額での成約や、予想外に新規契約での受注ができるなど、契約の
要素は様々です。
 このため、目標を達成しようと思うのであれば、より多くの見込み客(母数)を獲得
しなければなりません。
 DMの送付や来店客数の増加など、売上を上げるために必要な見込み客の発掘・維持方法を検討することで、より多くの母数獲得に向けての行動計画が明確になります。


3)成約率のアップ
 母数の獲得に取り組むと同時に、会社としてはその母数に対する成約率をアップさせることが重要です。
 成約率の低いお客様に継続的に多額の投資を行うよりは、成約率が高く、成約までにかけるコストが最小限で済む方法を考えなければなりません。
 来店客数が多い小売業であれば、来店客に占める購買客の数をどのように上げるのか?
 ここで問われるのが接客方法や商品陳列、店内レイアウト、清潔感等々、お客様が来店しやすく、かつ商品を買いやすい方法を具体的に検討して、改善していく必要があります。


4)一人当たり生産性のアップ
 上記1)~3)の手順を踏んだとしても、それを実行するにあたって従来よりも多くの人手や労働時間を費やすのでは、多額の人件費がかかり、結果的に売上は達成できても、利益を獲得することができなくなります。
 また、目標売上を達成するためにサービス残業を行ったり、逆に簡単に目標が達成できるからといってダラダラ残業を行うことは、会社にとっても社員にとっても良い結果をもたらしません。
 目標売上の達成と共に、いかにして一人当たりの生産性を上げるかが重要です。
 これらを実行するにあたっては、社員一人一人の仕事内容の棚卸が必要です。
 不要な会議を削減し、アナログな業務をIT化する等、改善を重ねることで生産性を大幅にアップさせることも十分可能です。


 このように、単純に予算を達成するといっても、上記のような具体的な行動計画を一緒にしなければ、計画数値は「絵に描いた餅」になってしまいます。

 3月決算を迎える会社も、来期に向けての予算案を検討する時期に入っておられるかと思いますが、これを機に予算を現場に通知するだけでなく、具体的な行動計画も併せて立ててみてはいかがでしょうか。




※書籍発売のご案内
 1月24日にダイヤモンド社より「社長のための黒字の教科書」が発売されました。
20140131-nextdoordesign.png

 おかげさまで1月27日の日経新聞朝刊でも広告記事が掲載され、多くの皆様のお買い求めいただいております。
http://on.fb.me/1ebu0SG

 前作の「マンガで入門!会社の数字が面白いほどわかる本」は新入社員、内定者、就活中の大学生が対象でしたが、今回はタイトルにもある通り『社長のため』に構成された本になっています。

 国税庁発表データによりますと、平成24年度における法人税申告件数は276万1千件で、そのうちの黒字企業割合は27.4%となっています。これは、平成23年度の25.9%という数字と比較すると、やや回復傾向にあるともいえますが、依然として70%以上の会社が赤字申告の状況が続いているのも事実です。

 そこで、起業10年で100社を超える中小企業の営業・投資・財務の各キャッシュフローの改善を専門にコンサルティングを実施させて頂いた私のノウハウをもとに「社長のための黒字の教科書」を作成させて頂きました。


 ぜひ、この機会に最寄りの書店等でお買い求めください。
(※最寄りのリアル書店でお買い求め頂いた方限定で、下記キャンペーンにお申込みただいた方を対象に、東京・大阪で開催予定の出版記念セミナーに無料ご招待させて頂きます。)

「社長のための黒字の教科書」キャンペーンサイト
http://www.cashflow.co.jp/book2/

facebook: http://www.facebook.com/cashflow.zaimu
twitter : http://twitter.com/cashflow_zaimu
コラムニストプロフィール
20100804-ms_morioka_img.jpg

森岡 寛(もりおか ひろし)
株式会社M's FACTORY(エムズファクトリー)
大阪・神戸を中心に中小企業向けの財務コンサルティング業務を実施しています。
具体的業務としては、①経理業務の改善アドバイス、②月次財務報告書の提供・報告、③金融機関からの資金調達・返済相談、④資金繰り改善アドバイス、⑤予算設定・管理、⑥管理会計導入、などが挙げられます。また、現在は訪問財務コンサル(関西圏対象)と、ITツールを活用したWEB財務コンサル(全国の中小企業が対象)の2つのサービスを展開しています。