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労働審判の申立書が届いたら絶対に注意しなければならない2つのこと(1)

こんにちは   咲くやこの花法律事務所の弁護士西川暢春です。


今回から「労働審判制度」についてお話したいと思います。




皆様は、労働審判制度というのはご存じでしょうか?



「労働審判制度」というのは最近できた新しい制度で、
解雇や残業代、セクハラなどの労使間トラブルを短期間に
解決するために作られた制度です。




いままで労働関係の裁判と言えば、長くかかる印象が強かったのですが、
この労働審判制度は3ヶ月くらいで決着することができる
というのが最大のポイントです。


そのため、
解雇された労働者がこの労働審判制度を使って会社を訴えたり、
残業代の請求を求めたりするケースが急増しています。



当事務所でも最近、労働審判を労働者側から申し立てられた企業から
その対応をご依頼いただくケースが急増しています。






この労働審判の申立書が届いたら、絶対に注意しなければならない2つのポイントがあります。







今回はまず1つ目についてお話しします。


1つ目は、
「労働審判の申立書が会社に届いたらすぐに弁護士に相談する」
ということです。




よく労働審判の申立書がとどいてもどうしていいかわからず、
2,3週間ほったらかしにして、
いよいよ第1回の審判期日が近づいた頃に弁護士のところに相談に行く
という経営者の方がおられます。



どうしても弁護士は敷居が高いとかいろいろな理由があると思います。



通常の訴訟であれば相談が若干遅れてもなんとかなるのですが、
労働審判の場合、
このようにして相談が遅れることは致命的です。


なぜなら、何回も期日を重ねる普通の裁判と違って
労働審判は原則として3回しか期日を開きません。






しかも、 最初の第1回でほとんど勝負がついてしまうのです。

ということは第1回までに十分な用意をしてのぞまなければ・・・
勝ち目はないということです。






この「十分な用意」というのは結構大変です。



たとえば、能力不足を原因で社員を解雇したところ、
社員が不当解雇だとして会社を労働審判制度で訴えてきた
というような事例がよくあります。


この場合、第1回の期日までに


「どういう点が能力不足だったのかということ」
「会社がその社員に十分な指導をしたけれども改善されなかったこと」
「会社がこの社員に別の仕事を与えてなんとか雇用を維持しようとしたが
それも能力不足でできなかったこと」


などを具体的に細かく説明していく必要があります。





もちろん、説明するだけでなく証拠もつけて、第1回の期日までに出さなければなりません。


このような準備のためには、この社員の教育を担当していた従業員や直属の上司など
すくなくとも2、3人から詳しく事情を聞く必要があることがほとんどです。




このような準備をどこまでできたかが、労働審判の結果に大きく影響します。



基本的に労働者の側は十分な準備をして労働審判を申し立てますから、
経営者側が十分な準備ができなければ負けてしまいます。


当事務所では顧問先以外からの労働審判の依頼も積極的にお受けしております。




労働審判の申立書が届いたら、すぐ弁護士に相談してください。

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IT経営者のご講演のご案内

みなさん、おはようございます。




さて突然ですが私は関西若手の会という、関西の若手経営者の方が集まる会に参加し、いろいろ勉強しています。




今回、 ITバブル初期の時代にITベンチャー企業の経営を第1線でしてこられた経営者の方の講演の予定があり、どなたでも参加できるオープンな会ですので、このブログでも宣伝させていただきます。




当日の講演はもちろんですが、このブログを読んでいただいている方に、この日リアルにお話しできたら嬉しいと思っています。






■若手の会 6月度 概要

【内容】

 ITバブル初期の時代にITベンチャー企業の経営を第1線でしてこられた加藤順彦様をお招きしてご講演をして頂きます。

 関西の若手経営者や起業志望の若手に熱いメッセージをして頂きます。





【講師】

 起業家/投資家 加藤順彦  様 



【日時】

6月21日(火)

18時30分 受付開始

19時00分 スタート

21時00分 懇親会



【参加費】

4,500円(懇親会飲食含む)

※学生は2,000円になります。

※勉強会のみの参加の場合も金額は変わりませんので、ご注意下さい。





【場所】

場所は、下記の通りで御座います。

三井住友クラブ

大阪市西区江戸堀1丁目13番10号(成泉ビルディング)

TEL:06-6443-1986

http://www.sumitomoclub.com/



【講師プロフィール】

関西学院大学在学中に(株)リョーマ、(株)ダイヤルキューネットワークの設立に参画。

(株)徳間インテリジェンスネットワークを経て1992年、有限会社日広(現GMO NIKKO株式会社)を創業。2008年、同社のGMOインターネットグループ傘下入りに伴い退任しシンガポールへ移住。

移住前は個人エンジェルとして、日本国内の30社超のスタートアップベンチャーの第三者割当増資に応じるとともにハンズオン支援してきた(うち8社はその後上場)。現在もシンガポールにて日本人起業家への投資&支援を行っている。主な投資支援先はアパレルのsatisfaction guaranteed 、ファストカットのMJ TOKYO、お土産開発のMariposa、プレスリリースサービス@press/レンタルオフィスCROSSCOOPの未来予想、アジア進出支援コンサルのパンアジアパートナーズ等。関西学院大学商学部非常勤講師

◆プロフィール→http://j.mp/k2k4rn

◆コラム→http://j.mp/g5T7LD、http://j.mp/dAiHO1



参加申込みフォームはこちです。




http://www.h8w.co.jp/data/kansaiwakatenokai/form.html






関西若手の会ブログ




http://ameblo.jp/kansaiwakatenokai/







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先日の大震災、大津波について

東北での甚大な被害、心が痛みます。
危険な中で作業されている東京電力の従業員の方々には本当に頭が下がります。
ライオンズクラブでは義援金のよびかけ、献血のよびかけを行っています。
日本国民としてできることを少しずつでもやっていきましょう。

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能力不足の従業員を退職させる際に注意する3つのポイント②-不当解雇の訴えに負けない会社を作る

前回、不当解雇の訴えに負けない会社を作る一番大事なポイントは「退職願をとりつけること」ですとお話ししました。



 しかし、「退職願」を必ずもらえるとは限りません。従業員が「退職願」にはんこを押してくれないときは、解雇するほかありません。

 

 その場合にどういう点に気をつける必要があるでしょうか。



 どうしても解雇せざるを得ない場合、「能力不足について証拠を残す」ということが重要なポイントになります。



 経営者の中には従業員の自律性を尊重し、従業員も社会人なのだから、自分の職務能力については自己研鑽するべきだというお考えの方もおられると思います。

 

 しかし、裁判所はそのような考え方はしません。裁判所は従業員の教育、指導は会社の責任だと考えています。そして、解雇する前に会社は従業員の教育、指導を十分にするべきであり、それをしないで会社が従業員を解雇した場合は会社が悪いんだという考えます。



 実際の裁判では、不当解雇を主張する元従業員は、会社の教育、指導が足りなかったと主張します。これに対し、会社側から、十分な教育・指導をしていことの証拠を提出できなければ裁判に負けてしまうのです。



 ですから、解雇を検討する段階では能力不足について証拠が残っているかどうかが非常に重要なポイントになります。



 では、どのような証拠を集めておけばいいのでしょうか?



 能力不足の社員とは定期的に面談の機会をもち、その指導内容について記録をとることが必要です。

 

 能力不足の社員には、まず、能力が足りていないという会社の評価を率直に伝えることが必要です。

 その上で、どのような能力が足りていないかを具体的にわかりやすく説明し、どのような改善方法があるかを会社が社員と一緒に考え、指導します。

 指導内容の客観性を保つため、指導は上司1人ではなく、複数でするのがいいでしょう。

 そしてこれを記録に残します。

 指導したにもかかわらず、同じ間違いが続く場合はその原因について話し、同じ間違いを繰り返さないようにするにはどうすればよいか指導していきましょう。

 営業成績が悪いという場合は、営業成績がいい従業員がどのような営業方法をしているのかを会社から教えて、それを参考に今後どういう営業方法をとっていくべきか指導していきます。お客様からのクレームが多い場合は、その内容を従業員に伝え、改善策を指導します。



 このような指導とともに、会社が指導してきたことを証拠として残し、指導の効果が十分でなく能力不足が解消できない場合に、ようやく解雇を検討することになるのです。



 裁判所は従業員が問題点を十分に認識しないまま、突然解雇されたというような印象がある場合、会社を非難します。

 そこで、従業員に問題点を率直に伝え、このままでは雇用の維持が難しいということを従業員に認識させ、その上で、会社として一生懸命指導したけれども改善できなかったという状況を裁判所に説明できるように、証拠として残しておくことが必要になるのです。

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能力不足の従業員を退職させる際に注意する3つのポイント①-不当解雇の訴えに負けない会社を作る

 従業員の数が増えてくると、どうしても、業務の能力が劣って仕事に時間がかかる社員、取引先とのトラブルが多い社員、営業のノルマを達成できない社員、業務上のミスを頻発させる社員など能力不足が問題となる従業員がでてきます。



 このような能力不足の社員をほうっておくと、職場全体の士気にもかかわってきます。そこで、このような従業員はなるべく早く退職させたいと思われる経営者が多いと思います。



 しかし、このような従業員退職のトラブルが労働基準監督署や裁判所に持ち込まれるケースが急増しています。しかも、これらの役所や裁判所は極めて労働者側に偏った考え方をもっており、このような場にトラブルが持ち込まれると、会社にとってはなかなかやっかいなことになります。



 そこで、能力不足の社員を退職させる際に絶対注意しなければならない3つのポイントをお話ししたいと思います。



 今日はまず、1つ目で、一番大切なことです。




 それは、「解雇しないこと」です。



 能力不足の社員が指導をしてもなかなか改善されない場合、すぐ「解雇」ということを考えがちです。



 しかし、経営者にとって「解雇」という方法は極めてハイリスクな方法です。これを多用すると超ハイリスク経営に突き進みます。



 「解雇」というのは、会社からの意向で従業員を一方的に退職させることです。これをやると「不当解雇」として訴えられるリスクが出てきます。



 「うちの解雇は不当解雇じゃない。ちゃんと解雇予告手当も払っている」とおっしゃる経営者の方もおられます。 
 このような経営者の気持ちは私のような経営者側弁護士には良く理解できるのですが、裁判所では残念ながら全く理解されません。裁判所では解雇予告手当を支払っていたとしても、ほとんどの解雇が合理的な理由がない解雇として不当解雇と言われてしまいます。



 では、どうすればいいのでしょうか?

 「不当解雇」と言われたくなければ、「解雇」しなければいいのです。

 従業員のほうから「退職」してもらえばいいのです。

 これは前にも書いたことなのですが、ものすごく大事なことです。

  

 能力不足の従業員には、このまま勤務を継続しても昇給、昇格の見込はないことを説明し、退職してもらいましょう。

 この場合、きちんと「退職願」を書いてもらうことが重要です。

 「退職願」さえ書いてもらえれば、後にトラブルになる可能性はぐんと減りますし、トラブルになっても会社側に有利な解決ができることがほとんどです。



 なぜ、わざわざ「退職願」なんて文書をかいてもらわなければならないのでしょうか?

 本人がやめると言ってるからいいじゃないか、わざわざ文書を書いてもらうと、また従業員が反発しトラブルになる。とおっしゃる経営者の方もおられます。



 しかし、トラブル含みの退職では「退職願」を書いてもらうことは必須です。



 なにも書類がなかった場合、会社から解雇されたのか、従業員が納得して退職したのかが非常に不明確になります。経営者の側では、「納得して退職してくれた」と思っていても、従業員の側では「会社から解雇された」と思う場合がほとんどです。

 それでは結局、不当解雇の訴訟を招いてしまうのです。



 退職のトラブルでは、「退職願」をもらえるかどうかが、その後を大きく左右する天王山といっても過言ではないのです。

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弁護士にクレーム解決を依頼する5つのメリット④

先日、クレーム解決を弁護士に頼むメリットとして、5つの項目をあげてお話ししました。 

① 依頼者はクレーム対応から離れて本業に集中できる。
② 早く解決できる。
③ 法律や判例に基づき当方の立場を理論づけて説明することで、相手の要求を断念させ ることができる。
④ 訴訟等のリスクも踏まえ、その準備ができる。
⑤ 対等な交渉、明確なノーを言える。
の5点があります。
という話でした。

 今回は、このうち、④の「訴訟等のリスクも踏まえ、その準備ができる」について書きたいと思います。

 クレームが訴訟になることはごくまれです。しかし訴訟になったときの対応も考慮に入れてクレームへの対応をすることは重要です。

 当事務所でよくご相談を受ける事例の1つが、自社のホームページ上で公開しているコンテンツについて、他社(以下、「A社」といいます)のコンテンツを模倣したものであり、A社の著作権を侵害しているというクレームを受けるケースです。

 著作権侵害による損害賠償請求では、賠償額が年々多額化しており、万一の訴訟の場合を踏まえた対応が必要です。

 著作権侵害のケースで、訴訟で問題となるポイントは、
① 自社のコンテンツがA社のコンテンツを参考にして作成されたものであったかどうか
② 自社のコンテンツがA社のコンテンツと類似しているかどうか
の2点です。

 問題となるコンテンツが自社で作成したものではなく、他社に外注して制作させていたような場合は、まず、①の点について、外注先に聞き取り調査をする必要があります。

 外注先がA社のコンテンツを参考に制作したのか、それとも参考にしたわけではないがたまたま似てしまったのか、は重要なポイントです。

 次に、②の点ですが、これはA社のコンテンツと自社のコンテンツを比較して、似ているかどうかを検討する必要があります。

 A社のコンテンツを自社で把握できていない場合は、A社から取り寄せる必要があります。

 この場合の「似ているかどうか」の判断はかなり専門的な判断になり、弁護士に相談する必要があります。

 その上で、著作権侵害に当たる可能性がある場合は、ただちに自社ホームページに掲載されているコンテンツを削除する必要があります。

 また、外注先がA社のコンテンツを参考にコンテンツを制作していたが、そのことを自社では知らなかったという場合、その旨の「確認書」を外注先から取り付けておく必要があります。そのことによって、万一の裁判の際に、「自社はA社から警告を受ける以前は著作権侵害について知らなかったし、警告を受けてすぐにコンテンツを削除した」と主張して、損害賠償責任を免れることができます。

 弁護士にクレーム対応を依頼することで、クレームに対応しながら、万一裁判になった場合に備えて、裁判で問題となるポイントを調査し、必要な証拠を確保することができるのです。

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弁護士にクレーム解決を依頼する5つのメリット③

 先日、クレーム解決を弁護士に頼むメリットとして、5つの項目をあげてお話ししました。 

① 依頼者はクレーム対応から離れて本業に集中できる。
② 早く解決できる。
③ 法律や判例に基づき当方の立場を理論づけて説明することで、相手の要求を断念させ ることができる。
④ 訴訟等のリスクも踏まえ、その準備ができる。
⑤ 対等な交渉、明確なノーを言える。
の5点があります。

という話でした。

 今回は、このうち、④の「訴訟等のリスクも踏まえ、その準備ができる」について書きたいと思います。

 クレームが訴訟になることはごくまれです。しかし訴訟になったときの対応も考慮に入れてクレームへの対応をすることは重要です。

 当事務所でよくご相談を受ける事例の1つが、自社のホームページ上で公開しているコンテンツについて、他社(以下、「A社」といいます)のコンテンツを模倣したものであり、A社の著作権を侵害しているというクレームを受けるケースです。

 著作権侵害による損害賠償請求では、賠償額が年々多額化しており、万一の訴訟の場合を踏まえた対応が必要です。 

 著作権侵害のケースで、訴訟で問題となるポイントは、

① 自社のコンテンツがA社のコンテンツを参考にして作成されたものであったかどうか

② 自社のコンテンツがA社のコンテンツと類似しているかどうか

の2点です。

 問題となるコンテンツが自社で作成したものではなく、他社に外注して制作させていたような場合は、まず、①の点について、外注先に聞き取り調査をする必要があります。

 外注先がA社のコンテンツを参考に制作したのか、それとも参考にしたわけではないがたまたま似てしまったのか、は重要なポイントです。

 次に、②の点ですが、これはA社のコンテンツと自社のコンテンツを比較して、似ているかどうかを検討する必要があります。

 A社のコンテンツを自社で把握できていない場合は、A社から取り寄せる必要があります。

 この場合の「似ているかどうか」の判断はかなり専門的な判断になり、弁護士に相談する必要があります。

 その上で、著作権侵害に当たる可能性がある場合は、ただちに自社ホームページに掲載されているコンテンツを削除する必要があります。

 また、外注先がA社のコンテンツを参考にコンテンツを制作していたが、そのことを自社では知らなかったという場合、その旨の「確認書」を外注先から取り付けておく必要があります。そのことによって、万一の裁判の際に、「自社はA社から警告を受ける以前は著作権侵害について知らなかったし、警告を受けてすぐにコンテンツを削除した」と主張して、損害賠償責任を免れることができます。

 弁護士にクレーム対応を依頼することで、クレームに対応しながら、万一裁判になった場合に備えて、裁判で問題となるポイントを調査し、必要な証拠を確保することができるのです。

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クレーム解決を弁護士に頼む5つのメリット②

 前回クレーム解決を弁護士に頼むメリットとして、5つの項目をあげてお話ししました。 

 そこでお話したのが、
① 依頼者はクレーム対応から離れて本業に集中できる。
② 早く解決できる。
③ 法律や判例に基づき当方の立場を理論づけて説明することで、相手の要求を断念させ ることができる
④ 訴訟等のリスクも踏まえ、その準備ができる
⑤ 対等な交渉、明確なノーを言える
の5点があります。
という話でした。

 今回は、このうち、③の「法律や判例に基づき当方の立場を理論づけて説明することで、相手の要求を断念させることができる」について書きたいと思います。

 たとえば、化粧品販売会社が化粧品を購入して使用した顧客から、

「御社の化粧品を使用したら顔に広範にわたって赤く腫れた。
 医者の診断を受けたところ御社の化粧品の使用を中止するように指示を受けた。
 医師の指示通り、使用を中止したところすぐに腫れが改善した。
 腫れの原因は御社の化粧品ですので、病院代や慰謝料を支払って欲しい」
とクレームがあったケースを考えてみましょう。

 肌に関するトラブルは特に女性にとっては重大なものであり、対応を誤ると製造物責任法などを根拠に高額な慰謝料の支払いを求められ、訴訟に至るケースもあります。

 では、このようなケースでどのような対応をすればよいでしょうか。

 化粧品のトラブルについては判例があり、
「どのような物質であっても、人によって、ごくまれにはアレルギー反応を引き起こす原因となり得るものであるから、化粧品を使用した消費者の中にアレルギー反応による皮膚障害を発生する者がいたとしても、それだけでその化粧品が安全性を欠いているということはできない」

「仮に化粧品を原因としてアレルギー反応が起こったとしても、肌に合わない場合は使用の中止を求める注意文言が十分に記載されていれば、化粧品メーカー、販売会社は責任を負わない」
とされています。

 ですので、仮に御社の化粧品が皮膚炎の原因であったとしても、「お肌に合わないときはご使用をおやめください」などの注意文言が明確に記載されていれば、御社に賠償義務はありません。 

 化粧品販売業には、この種のトラブルがつきものであり、賠償義務がないものまで賠償に応じていては、化粧品の販売というビジネス自体が成り立たなくなってしまいます。

 クレーム対応を弁護士にご依頼いただいた場合、このように具体的な判例を指摘して、相手のクレームが通らないことを文書と資料で説明することができ、短期間のスピード解決が可能になるのです。

 もちろん、「法律上こうなってますから払えません」という紋切り型の対応では相手は納得はしません。

 しかし、クレーム解決のゴールは相手に納得してもらうことではなく、相手の請求をあきらめさせることです。

 弁護士が資料と判例の基づいて、相手の要求が通らないことを説明すれば、相手は請求を断念することがほとんどなのです。

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クレーム対応を弁護士に依頼する5つのメリット

 今回は若干宣伝になりますが、クレーム対応を弁護士に頼むメリットについて書いてみたいと思います。

 クレーム対応を弁護士に頼むメリットは
① 依頼者はクレーム対応から離れて本業に集中できる。
② 早く解決できる。
③ 法律や判例に基づき当方の立場を理論づけて説明することで、相手の要求を断念させ ることができる。
④ 訴訟等のリスクも踏まえ、その準備ができる。
⑤ 対等な交渉、明確なノーを言える。
の5点があります。

 今回は、大きなメリットの1つである①の「依頼者はクレーム対応から離れて本業に集中できる」と②の「早く解決できる」についてお話ししたいと思います。

 いったんクレームが発生してしまうと、相手方に謝罪に行ったり、電話が頻繁にかかってきたり、クレームの対応方法を社内で協議したりなど、多くの時間をクレーム対応に割いておられるケースが多く見られます。

 本業も忙しいのにクレーム対応に時間をとられてしまうというのがつらいところです。

 しかも、私どもの視点で見れば、このようなクレーム解決の努力が必ずしも正しい努力とは言えず、むしろリスクを増大させているケースも多く見られます。

 時間と人件費を割いて、自社のリスクを増大させ、しかも本業に集中できないでいるようでは、経営自体が揺らいでしまいます。

 そのようなことを避けるためには、クレーム対応を弁護士にまかせてしまうのがおすすめです。

 当事務所ではクレーム対応をご依頼いただいた段階で、弁護士の名前で相手方に通知を出し、こちらの立場を説明します。

 当方に落ち度もなく、賠償の支払い義務もないのであれば、その旨説明します。

 当方に落ち度があり、支払い義務もあるのであれば、依頼者とも相談の上で相手方に金額の提示をし、相手方に文書で金額の法的根拠をご説明します。

 当方に落ち度があるが、支払い義務まではないというケースもあります。その場合はご迷惑をおかけしたことをお詫びし、支払い義務まではない旨を説明します。


 そして、今後の連絡はすべて当事務所宛にいただくように相手方に連絡します

 このことによって、相手方からの連絡が法律事務所に来るようになり、依頼者はクレーム対応を離れて本業に集中できるようになります。

 では、実際、弁護士にクレーム解決をご依頼いただいた場合、解決までの期間はどのくらいかかるのでしょうか?

 これについてはさまざまなケースがありますが、ご依頼から1週間か2週間で解決してしまう事例が多くあります。
 これまで何ヶ月もかかって自社で必死で対応してきたというようなクレームも、弁護士に頼んでいただいたら、わずかな期間でスピード解決ができることが多いのです。

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ECサイトを売買する場合の注意点

最近、ECサイトの売買についての相談が増えています。

 ECサイトを売買する場合、注意しなければならないことがいくつかあります。

 今日はそのうちでも、見落としがちな問題点について書いてみたいと思います。

 他社のECサイトを譲り受ける場合、譲り受けた会社は従来のサイト名をそのまま使い続けることが通常です。

 従来のサイト名を使い続けなければ、サイトのお客様にとまどわせることになりますし、SEOの面でもマイナスになるかもしれません。

 A社がB社からB社が運営するサイトを譲り受けた場合の問題点を考えてみましょう。

 サイトの譲渡の日より前にB社がそのサイトで販売した商品について、後日欠陥があったことが発覚し、サイトを譲り受けた後にA社に対し、商品欠陥についてのクレームがあったというような場合、A社はどのように対応しなければならないでしょうか。

 当然、A社としては、「それはB社が販売した商品についてのクレームだから弊社では責任はとれません。損害の賠償や代金の返金はB社に請求してください。」と言いたいところです。

 しかし、ここで注意しなければならないのが、商法17条という法律です。
 
 商法17条1項は、「営業を譲り受けた商人が譲渡人の商号を引き続き使用する場合には、その譲受人も、譲渡人の営業によって生じた債務を弁済する責任を負う。 」としています。

 サイトを譲り受けたA社が以前のサイト名をそのまま使用していた場合、本来B社が対応しなければならない損害賠償義務についてもこの条文によってA社が責任を負担させられる可能性があります。 

 サイトの名称が継続して使用される場合、外部からはサイトの譲り受けがあったことがわかりにくいことが多いです。そこで、お客様としては現在サイトを運営している会社に対し、返金等を求めたいという期待するのが通常であり、そのような期待を法律上保護しなければならないという要請が働くのです。

 ECサイトのサイト名は厳密に言えば、上の条文の「商号」にはあたらない場合が多いのですが、この条文は最近適用場面が拡大する傾向にあり、サイト名についても適用される可能性が十分あります。

 このようなことから、ECサイトを譲り受け、サイト名を変更せずにそのまま運営する場合、ECサイトの新しい運営者は、以前の運営者に対するクレームや損害賠償責任について共同で責任を負担させられるリスクがあります。

 これを回避するには、サイトを譲り受けた後、ECサイトの顧客に対し、ECサイトを自社が譲り受け、サイトの運営者が変わったことを通知しておくことが必要です。この通知はメールでもオーケーです。
 もちろん、ホームページ上のサイト運営者の表示をすみやかに訂正することも必要です。

 ECサイトの売買にはそのほか多くの落とし穴があります。売買価格は高額化していますから、買った後でこんなつもりじゃなかったということにならないように、事前に弁護士にチェックを依頼されることをお勧めします。